【AM5】ASUSからATXサイズのA620マザーボードが登場
Ryzen 7000シリーズに対応するSocket AM5の中でも安価な“A620”を搭載したATXマザーボードが、ASUS公式ページに登場した。
A620チップセットは、AMD 600シリーズの中でもエントリークラスとして位置づけられるもので、上位のX670やB650と比較して安価な一方で機能性・拡張性はそこまで高くないという特徴がある。
しかしながらこのA620は、前世代のA520やIntelの最廉価グレードであるH610などと比較するとかなりの高機能であることが判明しており、筆者はこれを搭載したATXマザーボードの登場を待ち望んでいた。
そして遂に、ASUSからA620を搭載した廉価グレードのATXボードが発表された。製品名は「TUF GAMING A620-PRO WIFI」で、ASUSのエントリーゲーミングブランド「TUF GAMING」の上位クラスに属する“PRO”を冠した製品となっている。
その製品画像がこちら↓
それでは簡単にスペックを確認していこう。
まずはリアI/OとUSB。
背面には
- DisplayPort 1.4
- HDMI 2.1
- USB×6ポート
- Realtek 2.5GbE
- Wi-Fi 6 + Bluetooth 5.3
- 各種オーディオ端子
- USB BIOS Flashback用ボタン
が並んでいる。USBが6ポートと少なめではあるが、映像出力端子からネットワーク周りまで“TUF GAMING”に相応しい装備だという印象である。
様々なニーズに対応できる、万能なマザーボードになりそうだ。
USBの内訳は
- USB 3.1 Gen1 Type-C (5Gbps)
- USB 3.2 Gen2 Type-A (10Gbps) ×2ポート
- USB 2.0 Type-A (480Mbps) ×3ポート
10Gbpsの高速なポートから安定性の高い2.0までひととおり搭載されている。
また、フロント用は
- USB 3.2 Gen1 Type-C用ヘッダ
- USB 3.2 Gen1 Type-A用ヘッダ(2ポート)
- USB 2.0 Type-A用ヘッダ ×2 (4ポート)
となっており、Type-Cヘッダの速度こそ速くはないものの、多くの場合に必要となる内容がしっかりと揃っている。
近年重視されているVRM(いわゆる電源回路)はどうだろうか。
「TUF GAMING A620-PRO WIFI」のVRMは、DrMOSによる12+2フェーズの構成となっている。
より上位のB650と比較すると、フェーズ数は変わらないものの60A DrMOS (Alpha & Omega AOZ5317NQi) →50A DrMOSにグレードダウンされていることが分かる。
ヒートシンクはB650と共通のものが使用されているように見える(色味が異なるものの、コンデンサやPCBなども同様に色味が異なっているので、光の加減によるものだろうと推察できる)。TUF GAMINGお馴染みのTUFチョークやTUF Capsももちろん採用。
グレードダウンされているとはいえ、大手5社の現状のA620ラインナップの中では最も高性能なVRMかと思われるので、期待がもてそうだ。
CPU補助電源は8+4ピンで、ProCoolコネクタ(ソリッドピン)を採用。中空のピンと比較して抵抗が少なく、それによって高効率・低発熱などいくつかの利点がある。
PCBは6層で、銅2倍の2オンス銅箔層基板を採用。放熱性が向上している。
なお、対応CPUは現時点で未公表だ。
メモリスロットは4本。DDR5-6400以上の高クロックに対応し、当然ながらAMD EXPOにも対応している。
Ryzen 7000シリーズのスイートスポットであるDDR5-6000のメモリを購入し、EXPOを適用させて運用することが可能だ。
ストレージはPCIe 4.0×4接続に対応したM.2が2スロットと、SATA 6Gb/sが4ポートあり、最廉価チップセット搭載ながらそれなりの拡張性をもつ。
Ryzen 7000シリーズでCPUが持つPCIeが4レーン増えたことにより、このグレードでもPCIe 4.0×4という高速なM.2が2本も利用できるようになった。
なお、M.2ヒートシンクはCPUに近いスロットのみに搭載されています。
拡張スロットは、ビデオカード用のPCIe 4.0×16(金属補強付き)のほかに、PCIe 3.0×2 (x16形状)が1スロット、PCIe 3.0×1が2スロット用意されている。
x2とx1は排他仕様となっており、x1のどちらか片方でも使用してしまうとx2スロットが使えなくなってしまうため、その点は注意が必要だ。
その他、CPUクーラー用含め合計5つのファンコネクタや3つのARGBヘッダ、さらに4ピンRGBヘッダまで、エントリーレベルのゲーミングPCを組み上げるのに十分な機能や拡張性を備えた本製品。
価格や国内投入などについては現状未定である。
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